2020年10月29日木曜日です。
いよいよ、明日、ここ石垣島を出発し、東京、そして宇都宮へと向かいます。
さきほど、海に入ってきましたが、これで最後かと思うと感慨深いものがありました。
そして、海からあがり、お風呂に入っているときに、ぜいたくなことですが、ふと、旅の疲れを感じました。
いつも旅に来て1週間を過ぎると、旅に飽きて、疲れを感じてきます。
よく、「旅の疲れ」と言いますが、やはり、ホテルでの宿泊や、旅の中で、やはりいろいろと疲れが蓄積されていくのでしょうか。
自宅にかえらないと、とれない疲れがあるのでしょう。たしかに、寝ていても、どこかしら緊張していたり、目が覚めても疲れが取れ切っていなかったりします。
しかし、この飽きや、疲れがないと、もうずーっと、旅に出てしまいますから、それもよくないのかもしれません。
昔、大前研一さんが本の中で書いていましたが、「世界有数の外資系コンサルティング会社で、夜も寝ずに働いて、
その後、オーストラリアの車で走れる砂浜をぶっ飛ばすと、本当に気持ちがいい。
でも、仕事をやめて独立して、暇なときに、来てみると全然楽しくなかった」と書いていました。
たしかに、会社づとめをしていると、自分で、自由に10日間かも旅に出れず、
数日しかなかったりするので、あっという間に帰らなければならず、飽きる暇もありません。
また、日ごろ忙しいからこそ、そのギャップで楽しさも倍増するのでしょう。
しかし、私は、ずっと、日帰りとか、1泊とか、最長で2泊!!!とかを、勤めている間は、ずーっと20年間ほど、短い旅を繰り返してきました。そして、毎回思うのは、「もっと、長くいたかった」と思っていたので、こうして10日間とか2週間とか旅に出れると、本当に満喫できます。さきほど、ふと思ったのが、子供のころの夏休みに、毎日遊び、毎日プールに繰り出して夕方遅くまで遊びまくっていたころの満喫感です。ほんとうに、あのころが思い出され、「満喫した!」という感じになり、今回の長旅も本当に満足しました。
そういえば、発達障害を持ちながら、早稲田大学を卒業し、発達障害を克服するための本がベストセラーになっている「借金玉」さんという方も、旅について面白いことを言っていました。
その方は、発達障害特有の症状で、頑張りすぎてエネルギーを使い果たして、鬱っぽくなり、もう何もする気が起きない時が、しょっちゅうあるそうです。
そういう時は、格安チケットで、国際線に乗り、タイのバンコクに飛び、そこからバスに夜通し揺られて、プーケットなどの南国ビーチに行き、安いコンドミニアムを借り、そこで、ひたすら寝るそうです。食事は、近くの屋台で毎日すませ、あとはひたすら寝るだけだそうです。そうして、数日間か1週間か過ごすと、「飽きてきた」と感じるそうで、この「飽きてきた」という感覚こそが、「エネルギーが溜まってきた」証拠だとか。そうして、飽きてきて、屋台以外の食べるところを探し始めたりすると、「ああ、回復してきたな」と思うそうです。その方は、「なかなか海外に行けない方は、ビジネスホテルにこもるのもおすすめです。」と言われていました。
いま、「こもる」という言葉が出ましたが、「おこもり」とも言いますが、宗教的にはとても大事だそうです。
お釈迦さまも、「夏安居」といって、なんと2~3か月(うらやましい!!!)ものあいだ、在家の方からの食糧調達を確保したうえで、洞窟などに、集団でこもり、ひたすら禅定瞑想に励み、霊界と行き来したりして、悟りを深めていかれ、伝道のためのエネルギーと説得力ある智慧を蓄えられたとのこと。
また、イエス・キリストも、情熱あふれる説法で、疲れると、(霊体質といい、エネルギーが抜けやすくとても疲れやすい体質だったとか(その分、相手にエネルギーを送り病気をたくさん治していますが))ひとり、小舟で山上に逃れ、静かに祈り、エネルギーを蓄えられると、また別人格のようにエネルギーが満ち、迫力あふれる説法をされたとか。
また、最近読んだ本にも、月の半分はシリコンバレーにいて仕事に励み、残りの月半分は、ラスベガス!で、「ひたすら寝る」だけの生活を送り、エネルギーを蓄え、これまた別人のようにエネルギッシュに働く人がいるそうです。
現在、日本中、世界中ではやっている、鬱も、結局はエネルギーの枯渇です。
よく休むことで、エネルギーが満ち満ちて復活できます。
有名な評論家の谷沢永一さんも、ながらく鬱を患っておられましたが、子供のころから、夏休みには、父親の知り合いの家がある瀬戸内海の小島に行き、そこで過ごすことでエネルギーが充電され、復活されることが多々あったとか。
小説家の開高健も、鬱でしたが、アラスカに釣りに行くために、飛行機が成田空港の滑走路を離れた途端に、鬱が治ったとか。
釣りが終わり、飛行機が成田空港の滑走路に着陸したとたんに、また鬱になったとか。(まだ遊び足りなかったのでしょうか?)
なにはともあれ、飽きるほどに、旅に出られることは、ほんとうに幸せです。
この幸せを、このエネルギーを、なんとか、世界に還元したいと思います。